祖父の代から三代に亘るこの動物病院を引き継ぎ、二十数年が過ぎました。 動物病院という環境が自分の幼少時からの遊び場所でもあり、時には注射器が水鉄砲替わりであり、動物との交流が日常という中で育ちました。 この間、動物と人間を取り巻く関係は劇的に変わったと思います。 この地域でも昔は番犬として外飼いが多く、蚊が媒介するフィラリア症などの寄生虫病が多かったのに対し、現在はほとんどが室内犬であり、フードの品質や、健康管理の向上による長寿化に伴う腫瘍疾患や心臓疾患が増えています。 また飼い主の動物に対する愛情も以前とは比べ物にならないのではないでしょうか。その中で獣医療にたいする要望も大きく変化しています。 CTやMRIを用いた高度な検査や、放射線や抗がん剤を用いた治療まで多様な選択肢が広がるようになりました。一方で、人間の動物に対する価値観も多様です。 個々の飼い主さんのご要望に合った治療法について、より多くの選択肢を提案できるよう心がけています。