よく診る病気
僧帽弁閉鎖不全症
2011-04-08 16:26:17
☆どんな病気?

犬、猫は人と同様、心臓に右心房・右心室、左心房・左心室の4つ部屋があります。心房と心室の間には血流を一方通行にするための弁があり、左心房と左心室の間で逆流を防いでいるのが僧帽弁です。これが肥厚などにより完全に閉鎖しなくなるために、左心室から大動脈に押し出されるべき血液の一部が、再び収縮期に左心房に逆流してしまう状態が僧帽弁閉鎖不全症です。
これにより、大動脈への駆出量が減ってしまいます。
そのため左心室は送りだす血液量を増やそうとして拡大し、また逆流により左心房も容量が増加して拡張するので、左心肥大となります。

☆どんな症状?

中高齢の小型犬が咳をし始めて気付く、というのがよく見られるケースです。他に疲れやすくなったり、運動時などの呼吸困難という症状もあります。
進行すると肺に水がたまる肺水腫を起こすことがあり、命にかかわる状態ともなりえます。

☆治療はどうするの?

診断は聴診での心雑音からレントゲン、超音波、心電図検査で確定します。根本的な治療薬はなく、心臓の負担を軽くするために血管拡張薬や、心収縮を高める薬、利尿薬などを使います。日常生活では塩分を制限したり、運動させないことが必要となります。
また、トリミングは非常に負担になりますので、日ごろの状態をよく把握している病院併設のサロンなどでされることをお勧めします。